位置 富山・岐阜県境 北アルプス南部
黒部五郎岳の名前は、岩場を意味する「ゴーロ」と、黒部川の源流近くにある山の意味に由来する。深田が”これほど独自の個性を持った山も稀である。”と表現するこの山は、散在する岩・大きなカール・雪渓が目をひき、独特の山容をつくりだしている。特にカールについては、”底から見あげたカールは実に立派である。三方を岩尾根に包まれて、青天井の大伽藍の中に入ったようである。”、”ここは他に類例のないすばらしさである。”と言い切っている。

黒部五郎岳標高2840m 2010年8月30日から31日にかけて、黒部五郎岳へ登りました。
北アルプスのど真ん中、東西のコース。穏やかな山容の稜線を進む。ガスがかかりやすいので、太郎兵衛平で1泊して朝の漫歩を楽しんだ。翌日に笠ガ岳へ行くことにしたので、予約した黒部五郎小舍から足を伸ばし、三俣山荘へ変更。例によって、ガスが巻き上がってきたが、それも尾根でさえぎられ、山頂やカール底部では好天で、ゆったりとゴーロゴロ黒部五郎岳を楽しんだ!
黒部五郎岳・山頂手前から、大きなすり鉢状のカールを眺める。 10:58

登山口から約1時間。道前方で、小熊に遭遇。あわてて鈴を出す。 太郎兵衛平へは、いつもの石道の登り道。薬師岳上方は雲。 今年は猛暑だったが、周りの草原には、“イワショウブ “チングルマ”“イワイチョウの葉”が、秋の風情。
“折立登山口”に到着! 9:41 登山道で、小熊に遭遇。 ベルを装着する  10:43
三角点に到着 11:35 秋の風情 《高山の花 イワショウブ》 
(三角点を過ぎ、草原にて) 12:02
太郎兵衛平に向かって、急な石道を、
一歩づつ登っていく  12:27
あそこが・・・太郎平小屋  14:14
道脇の草原に、チングルマとイワイチョウが、
秋の風情  14:16


太郎兵衛平に到着! 
黒部五郎岳を遠望 14:22
太郎小屋から出発、太郎山を越え、池塘(ちとう)を持つ草原を進む。 朝陽が周りを照らす頃、北ノ俣岳の北端への登り。北端に登りつくと、正面に、黒部五郎岳・笠ガ岳、振り返れば薬師岳。ここから北ノ俣岳・山頂までは、広々とした高山植物の宝庫である。 広がりのある緑の斜面を登っていく。
太郎小屋から、北ノ俣岳に向かって出発 5:56
太郎兵衛平から北ノ俣岳に出発するも、
黒部五郎岳には雲が押し寄せている  5:49
木道を太郎山に登りつつ、太郎平小屋を振り返る 
5:54
北ノ俣岳に向かう。 横を向くと・・・
草原の池塘の向こうには、薬師岳がデーン 6:06
草原は広いなぁ。 ゆっくりと登っていく 6:18
まだ咲いている 《高山の花 イワイチョウ》 
(北ノ俣岳へ向かう道縁の草原) 6:33
あそこを曲がれば、北ノ俣岳・
北端への登りが始まる 6:44
もう一息。 
北ノ俣岳・北端への急登 6:48
北ノ俣岳・北端に到着! 
これから、ぐるりと高原を進んで、山頂に至る! 6:52
北ノ俣岳の北端から、山頂へ。おおらかな(高山植物が咲く)高原を歩く。 7:02
黄色に輝く 《高山の花 コガネギク》 
(北ノ俣岳手前の高原にて) 7:00
なんと言っても、秋の風情は・・・チングルマ 
(北ノ俣岳手前の高原にて) 7:05
北ノ俣岳・山頂に向かって、広々とした高原を
進んでいく 7:10
北ノ俣岳・山頂に向かって進む 
(神岡からの登山道分岐にて) 7:17
北東を見下ろせば・・有峰湖 
(北ノ俣岳・山頂手前) 7:24


北ノ俣岳・山頂! (2661m) 7:26
北ノ俣岳(2662m)山頂からは、北西に白山、正面左から黒部五郎岳・笠ガ岳・乗鞍岳・木曽御嶽山と名山がずらり!高原状のゆったりした地形から、ずっしりとした円錐の巨体・黒部五郎岳を目指す歩きと変わる。 大きな岩岩をのりこえて登っていくと赤木岳(2622m)。 下って登ってピークが2578m。ここから黒部五郎岳の裾野にとりつき、登りとなる!キリが上がってきて風強く寒い。 登りつめると、尾根の“肩”。ここにリュックを置いて山頂へ!
北ノ俣岳・山頂から、左から黒部五郎岳・笠ガ岳・乗鞍岳・御嶽山を遠望! 7:27
あれが、雲がとれた黒部五郎岳!後ろに、
槍ケ岳が見える (北ノ俣岳・山頂を過ぎて) 7:48
北ノ俣岳を過ぎての下り。
北ノ俣岳を振り返る 7:57
北ノ俣岳から赤木岳に向かう。
正面に黒部五郎岳が、くっきり 8:08
赤木岳へは、大きな岩を乗り越える。 8:17
赤木岳から、岩の多い道を進んでいく。
正面には、黒部五郎岳 8:19
赤木岳を越えての下りから登り返し。
右手正面には、笠ガ岳! 8:33
いよいよ中俣乗越に近づく。
徐々に黒部五郎岳への登り。 9:01
中俣乗越からの登り。
正面が薬師岳。 9:15
中俣乗越から登りピークに立つと、薬師岳・赤牛・水晶と名山を遠望す。・・・
手前に雲の平がどっしり 9:32
小ピークから、あれが、いよいよ
黒部五郎岳への登り! 9:33
ここから黒部五郎岳への急登。
雲が、あっという間に、増えてきた 9:50
《高山の花 トウヤクリンドウ》 
(黒部五郎岳への登り稜線) 10:01
黒部五郎岳への登り稜線。
途中で歩いてきた道を振り返る。 10:32
黒部五郎岳への稜線登り途中。
岩肌の向こうに、赤牛岳が見える 10:38
この瓦礫が、最後の登り。
尾根を団体が歩いている。 10:40
やっと『黒部五郎岳の肩』
(カール尾根との分岐)に、到着! 10:44
“黒部五郎岳の肩”から、カールの尾根が続く。
向こう正面に、水晶岳 10:46
“黒部五郎岳の肩” から、山頂に
向かって登っていく。 10:50
大きな岩の間を登っていく。
ここも、昔は海底だった! 10:54
ハイマツの間を登っていく。
向こうに山頂が見える。 10:58


おぉ〜、あそこが山頂!もうすぐだ。 
キリはきていないぞ! 11:00
黒部五郎岳の山頂に立つ! しかし、ここは1億年ほど前に浅い海や湖沼に堆積した礫岩や砂岩が、7000万年前に始まった造山運動という地殻変動で盛り上がったのだそうな・・・!。不思議な感じ!? キリは尾根の外側を巻いて湧きあがっているが、この山頂は好天。しばしたたずむ。
黒部五郎岳・山頂に立ち、大きなすり鉢状のカールを見下ろして眺める。 11:02
三等三角点 (黒部五郎岳・山頂) 11:02 記念撮影 (黒部五郎岳・山頂にて) 11:04
黒部五郎岳・山頂から南方の尾根。
雲が湧いている 11:06


黒部五郎岳・山頂から、カールの右稜線を眺める。
下には、雪渓 11:06
山頂から、もとの稜線分岐“黒部五郎岳の肩”に下りる。標識に従い尾根をしばらく正面の水晶岳方面に進んだのち、カールの底部へと降りていく。底部から見上げると、大きく両腕を拡げているような岸壁に感動!底部を、黒部五郎小舍に向かってゆっくりと歩いて行く。 このカール底部は、2億年前の造山運動の時、古生層の間に貫入した火成岩で、古期花崗岩だそうだ。名前の由来にもなった、岩がゴーロゴロ! お花や、雪渓の雪解け水を楽しみながら・・・歩く。
黒部五郎岳のカール側面から、山頂方面を見上げる。 11:23
まだ、お花が残っている斜面を、
カール底部へ向かう 11:33
カール底部へ下りる途中、山頂付近の
岩壁を見上げる。大迫力! 11:33
黒部五郎岳のカール底部を歩く。奇岩がゴーロ・ゴロ。 11:38
おぉ、《高山の花 ウサギギク》
(カール底部にて) 11:41
カールの底部を、“五郎”と名づけられたように、
『ゴーロゴロ』した岩の間を小舍へ向かう 11:58
カールの底部から、周りの岩壁を見上げる。
迫力満点だ! 12:02
カールの底部を歩く。
振り返ってカールの壁部を見上げる。 12:05
これが・・・雷岩! 
背景に、左・水晶岳、右・鷲羽岳。 12:07
うしろを振り向くと、“これが、
黒部五郎岳カール”だ! 12:17
ダケカンバなどの樹木地帯に入る。 12:53

あれが・・・黒部五郎小舍 13:05
黒部五郎小舍の前で小休憩の後、三俣山荘へと向かう。 急坂で横を振り向くと、カールを抱いた黒部五郎岳がドーン! ダケカンバのある樹林の急坂を登っていくと、ハイマツ帯にでる。三俣蓮華岳方面への標識に従って、稜線を歩いていくと巻道分岐。
黒部五郎小舍から、三俣蓮華岳に
向かって、登りだす 13:28
絶景! 黒部五郎岳カールだ。
(三俣蓮華岳方面への登り) 13:53
黒部五郎小舍からの急坂を登りきり、高原のような
尾根道を、三俣蓮華岳方面へ歩いていく。 14:22
三俣蓮華岳方面への登り。 ふりかえると、
黒部五郎岳とカールがくっきり! 14:32
三俣蓮華岳への登り稜線。 14:54

三俣山荘への巻き道分岐。巻き道へ進む。 15:03
巻道分岐からは、有名な“お花畑”を通っていく。 高山植物の季節は過ぎていたが、なんと、ウサギギクやヨツバシオガマ・コイワカガミ・ミヤマキンポウゲ・・などなど、多数の花が! その中に、初めてお目にかかる《ミヤマアケボノソウ》が! ハイマツの道を登りきると、目指す三俣山荘が見えた!雪渓を越えると、すぐ。 急に降られた雨も上がり・・・虹をプレゼント。
まだお花が残っていいる!
《高山の花 ヨツバシオガマ》
(三俣山荘への巻き道) 15:09
《高山の花 コイワカガミ》
(三俣山荘への巻き道) 15:10
《高山の花 クロクモソウ》 
(三俣山荘への巻き道) 15:20
めずらしい!日本固有 
《高山の花 ミヤマアケボノソウ》
 (三俣山荘への巻き道) 15:24
ハイマツの間の急坂を登って、
三俣山荘に向かう 15:37
三俣山荘へ。 
この雪渓を渡っていく。 15:42
鷲羽岳のふもと、赤い屋根の三俣山荘。
15:59
雨後の・・きれいな虹!
(三俣山荘にて) 16:09



2005年92日夜行〜6日にかけて、 北ア・黒部五郎岳に 行きました。 心配した台風の影響も、5日雨というだけで、ラッキー。黒部五郎岳の“五郎”は、《ゴーロ》(山中の岩場) の当て字だそうです。確かに、有名なカール(氷河跡)の底には、岩がゴーロゴロ。しかも、2700mから山頂2840mまでは、1億年前は海底だったそうで、地球の神秘を感じました。
黒部五郎岳山頂2840m 11:31
黒部五郎岳:黒部五郎岳カール ワイド 12:00
あの山越えれば、黒部五郎岳にとりかかる
9:13
標識《タロー〜ゴロー》後ろは、薬師岳
9:31
もうすぐ頂上  11:20 頂上→1億年前は海(貝の化石?) 11:26
カール斜面は、秋の気配 12:27 カール底の羊群岩
(割れているのが雷岩)12:43
                  
雲の平:鷲羽岳山頂にて。
黒部五郎岳の雄姿
2002年9月2日
鷲羽岳の山頂から、 黒部五郎岳を撮ったものです。えぐれたカールの形が、良くわかります(正面の大きく白くなっている部分です。噴火ではありません)。
水晶小屋付近から。
黒部五郎岳の雄姿2008年9月15日
水晶小屋上の赤岳から、 黒部五郎岳を撮ったものです。朝陽に照らされて雲の平最高峰・祖父岳のむこうに、えぐれたカールが、それです。



黒部五郎岳の周りの山々
周りの山々《雲海の向こうに白山》 周りの山々《笠ケ岳》 8:00
黒部五郎岳:
周りの山々《どっしりとでかい薬師岳》 8:35
黒部五郎岳:
周りの山々《赤い山、赤石岳》 8:38

快晴ではなかったにせよ、晴れ間に、北アルプスの山々を見ることができました。
圧倒的に存在感があったのが、やはり、でっかい《薬師岳》 
そのほかにもちろん、槍ヶ岳・鷲羽岳・黒岳(水晶)などなど・・・!も見渡せましたヨ。

花シリーズ
チングルマとイワイチョウ 12:26 ミヤマリンドウ
11:33

そろそろ高山植物も、夏から秋 への衣替えの季節になります。チングルマは(子供が遊ぶ風車のように、黄色に染まりつつあるなかで、妙に存在感があります。アキノキリンソウとかウサギギクなど結構見ることが出来ました。
タテヤマリンドウ 9:05 ウメバチソウ 9:42
黒部五郎岳:イワショウブ 6:32